【Excelで科学技術計算】おすすめの本4冊【エンジニア向け】
エンジニアとして会社に勤務している皆様は、Excelで科学技術の計算をしなくてはいけない時があると思います。
簡単な数値計算からちょっと高度なシミュレーションまで、Excelで再現することを求められたりしますよね。
この計算、パパッとできる?メンテナンス性を考えて、Excelで。
あ、Excelですか…。やってみます!
(Excelで技術的な計算ってできるのかなぁ…?
調べても参考書が出てこない…)
そこでこの記事では、Excelによる科学技術的な計算にフォーカスした参考書をご紹介します。
人によって刺さる分野はそれぞれだと思うので、どれかがお役に立てれば幸いです。
1. Excelで操る! ここまでできる科学技術計算 第2版
- 「科学技術計算の90%はExcelで対応できる! 」がコンセプト
- 最小2乗法,ラグランジュポイントの探索,3接円計算,鉄筋コンクリートの応力計算,非線形連立方程式,非線形最適化問題,固有値計算など、理工系が多用するトピックを網羅
- 株価シミュレーションなどの計算も紹介
- 時事問題として、原発事故にまつわるシミュレーションが扱われている
- ぼんやりと「Excelで科学技術計算したいな」と考えている方におすすめ
2018年に第2版が発売された、Excelによる技術計算のベストセラー的な本です。
理工系が用いるベーシックな計算手法は網羅されているため、最初に読む本としてはおすすめです。
ただ解説しているだけではなく、例題も豊富なので読んでいて安心できるかと思います。
応用例として、地球温暖化問題、原発事故にまつわるシミュレーション等も行っているのが面白いポイントです。
注意点としては、VBAの基本文法的な部分の解説はないので、VBA初心者だと分かりづらいかも。
個人的には一番おすすめな本です。
まずはこの本を読んで、それから各自の専門分野の参考書に進むのが良いと思います。
2. 工学のためのVBAプログラミング基礎
- 「Excel VBAによりプログラミングを学ぶ 」がコンセプト
- マクロや関数ではなくプログラミング言語としてVBAを扱っている
- 数値計算は応用編として取り上げられている
- 「Excelで科学技術計算したいけど、VBAは詳しくない」という方におすすめ
2009年出版と少し古い本ですが、2021年現在でも内容は通用するかと思います。
この本の基本的な思想は、「Excel VBAによりプログラミングを学ぶ」ということです。
VBAの基本構文やアルゴリズムを例題演習形式で解説しているのがポイント。
VBAマクロやExcel関数ではなく、プログラミング言語としてVBAを取り上げ解説しています。
VBAにあまり親しみがない、という人は、読んでみるといいかなと思います。
数値計算は応用編として取り上げられています。
なので数値計算をメインで学びたい人には物足りないかもしれません。
3. Excelではじめる数値解析
- 「Excelを使って、基本的な数値解析を理解する」がコンセプト
- 数値解析の基礎が演習問題とともに解説されている
- 微積分、非線形方程式、ベクトルと行列、微分方程式などの解析手法が学べる
- なんと演習問題全100問(!)
- 「自分で手を動かしながら、数値解析を勉強したい」という方におすすめ
工学的な問題を解く際に用いる数値解析を、Excelを用いて理解するための書籍です。
「数値解析を理解する」ことが主眼に置かれています。
大学時代の復習をしたいとか、数値解析の基礎を勉強したいという人に向いています。
この本のポイントは、一つの問題を解く方法を複数紹介し、それぞれの方法の長所・短所を説明していること。
これによって自分の中にいくつか解法の引き出しが準備できるので、将来的に役立つと思います。
さらに、なんと100問もの演習問題があります。かなり多いです。
とにかく「自分で手を動かしたい」という人には満足できる本だと思います。
自分で計算することで、数値解析手法を身に付けられるはず。
私は自分で動かしてみたい派の人間なので、こういう参考書はありがたいです。
ちなみに、確率統計(モンテカルロ法)やスペクトル解析(フーリエ解析)も扱われています。
4. 新 Excelコンピュータシミュレーション:数学モデルを作って楽しく学ぼう
- 「Excelを使ったシミュレーション計算」がコンセプト
- Excelを格子状に設定してセルオートマトンを再現
- 数学モデルを作って遊ぶことができる
- 感染症の流行もシミュレーションできる(!)
- 「気になる話題についてシミュレーションしてみたい」という方におすすめ
2010年出版の本ですが大変面白く、もはや先見の明があったのではないかというレベルです。
なぜかというと感染症の流行シミュレーションを扱っているからです。
Amazonの口コミには「早速コロナウィルス感染の計算をしました。それっぽい値が簡単にでます。」なんていうものもありました。
記載されているExcelファイルは出版社ホームページからダウンロードできるので、初心者にも安心です。
Kindle版がないのが唯一の欠点かな。
まとめ
- 最初の1冊におすすめ:
Excelで操る! ここまでできる科学技術計算 第2版 - VBAに自信がないなら:
工学のためのVBAプログラミング基礎 - 手を動かして数値解析を理解したいなら:
Excelではじめる数値解析 - 遊ぶ感覚でシミュレーションしたいなら:
新 Excelコンピュータシミュレーション:数学モデルを作って楽しく学ぼう
私も現在学習中ですので、他によい本があれば適宜追記していきます。
某メーカー勤務の社会人2年目です。工学系の大学院(修士)卒とは思えないほどポンコツなので日々勉強中、、