ポアソン分布の導出【統計検定2級】
統計検定2級を受検する方や、統計になんとなく興味がある方は聞いたことがあるであろう「ポアソン分布」
かの有名な統計WEBにも、ポアソン分布の式は二項分布から導出すると書いてあります。
しかし式の導出は統計WEBには載っていなかったため、記事にしてみました。
ポアソン分布とは何か
ポアソン分布とは、ある一定区間の中で、偶然に起こる事象の数の分布です。
「偶然に起こる事象」というのがポイントです。
偶然に起こる事象というのは、例えば交通事故が良い例でしょう。
発生件数が多い場合はポアソン分布の式では再現できなくなり、正規分布に近くなります。
ポアソン分布の導出
では早速ポアソン分布を導出します。
試行回数 n回
事象発生回数 X回
事象発生確率 p
期待値 λ (λ=n×p)
ここで、X=k(k回事象が起きる)となる確率を求めることとします。
この時の二項分布の式、及び、そこから導かれるポアソン分布の式はこちら
ポアソン分布は試行回数nが十分大きく、確率pが小さいという定義なので、nを∞、pを0に近づけています。
ポアソン分布の式の完成形を把握したところで、順に式を導出していきましょう。
まずは二項分布の式を変形
このnCkは以下のように変形します。
1行目はnCkの定義通りで、2行目は全ての項をnで割っています。
理由はn→∞を使いたいからです。
こうするとn→∞で1/n→0にできますね。
これを元の式に代入します。
元の式はこれ
ここにnCkを代入すると
1/k!はこれ以上どうしようも無いので放置します。
(np)^kは期待値λ=npを使ってλ^kと変形できます。
最後に残ったのが、最後の項、(1-p)^(n-k)ですね。
これをどうにかしていきます。
まず1-pのpをなんとかしたいので、期待値λ=npを使ってp=λ/nとします。
そうするとn→∞が使えそうです。
勘の良い方または高校生の方は気づくかも知れませんが、ネイピア数の定義を使います。
(社会人は大半の方が忘れていると思いますw(私もすっかり忘れていた))
ネイピア数の定義のxの部分がーλとなります。
以上より、ポアソン分布の式が導けます。
(字が汚くてすみません)
終わり
式の導出って意外と載っていないんですよね。
高校数学を思い出したい26歳社会人です。
某メーカー勤務の社会人2年目です。工学系の大学院(修士)卒とは思えないほどポンコツなので日々勉強中、、