【理系院卒の就活】商社でもコンサルでもなく、総合電機メーカーを選んだ理由

そろそろ就活の季節ですね。

理系の皆さん・理系院卒の皆さんも、そろそろ悩まれている時期ではないでしょうか。

理系だと推薦があるから楽勝!という話は否定しませんが、

そもそも推薦を使うのか?

推薦を使ってどの企業に行くのか?

そういったことも非常に悩むと思います。

私も就活をしていた頃、

メーカーに行き理系を貫くか?商社などの文系職に行くか?

本当に迷いました。

結局メーカー1社のみ、心から行きたいと思える会社があり、面接もなんとか上手く行ったので

推薦でそちらに入社しました。そして現在に至ります

(今思えば1社しか受けなかったのは、かなり博打でした。笑)

そこで本記事では、

「なぜ私が文系職も視野に入れた上で、メーカーに入社を決めたのか?」

についてお話ししたいと思います。

ただの体験談、一つの考え方なので、特段何かをアドバイスしたりするわけではありません。

こういう人もいるんだな〜くらいで、自分で何かを考える際のご参考にでもなれば幸いです。

そもそもどんな学生だったのか

ざっくりスペックを言うと、

・旧帝大の工学部・工学研究科の修士(実験系研究室)
・いわゆる理系女子
・留学経験あり(交換留学・語学留学・短期留学)
・英語そこそこいける(就活当時はTOEFLiBT 90点、TOEICは受けてなかった)
・プログラミングなどはできない、ITスキルなし
・研究成果あまりなし(マジでポンコツでした。実験器具すぐ壊すし)、論文もなし
・学会発表は何度かあり、ニッチなものですが受賞経験あり

いわゆる理系女子ということで一般的には珍しい部類かと思います。

ITスキルがほぼゼロな上に研究もあまり冴えなかったのですが、

一応旧帝大でネームバリューがあることと、

足りない理系的能力を補おうと英語を頑張ったため、

「理系×英語」を武器に就活しようと考えていました。

検討した就職先

「理系×英語」を武器に就活しようと考えていた私が検討したのは、

外資コンサル・商社・メーカーの3つでした。

いかにも旧帝大の学生って感じの思考ですよね笑

今思えば捻りがなかったなあ。。。

外資コンサルは友達で受ける人が多かったので、それで初めて知りました。

(修士1年生の夏かな?それまでは存在すら知らなかった。)

商社は研究室の先輩が行っていたことで知りました。

メーカーは、大学に講義しに来てくださっていたり、学会やフィールドワークなどでも知り合った人が多かったため、一番馴染みがありました。

出遅れた就活

実は本格的に就活が始まる修士2年生の春(4月1日)まで交換留学をしていたため、日本にいませんでした。

この時点で分かるかもしれませんが、当時の私はあまり真面目に就活する気がありませんでした。

というか「どっかは拾ってくれるやろ(舐めプ)www」と思って悠々と構えていました。

帰国が迫った3月中旬に「そろそろやらなやばいかな」となり(遅い)、とりあえず業界研究を始めました。

3月中旬までの私は本当に能天気で、

「博士課程に行こうかな?いや、コンサルも良さそうだ。でも、スケールのでかい事業に関われるメーカーも捨てがたい!あ、先輩が商社に行っていたし、商社もアリかなぁ〜w」

と脳内お花畑で考えていました。余裕こきすぎている。

そこで各業界にいる先輩に話を聞いたり、会社の評判サイトみたいなものを見たり、SNSで人気企業をチェックしたり・・・

と、一応オンラインでできる活動をちょこちょこ始めました。

その結果わかったことは、

・どの企業も入ってみないと本当のところは分からない。(←真理)
・コンサルは修士1年の夏にすでに採用活動しており、もう募集はない。
・商社は6月1日から面接が始まる(決まるのが遅い)。
・いわゆる文系職の就職活動にはグループディスカッション(GD)や面接練習, OBOG訪問なるものがあり、選考が非常に大変である。
・学校推薦なら4月中に採用が決まる企業がある。

と、いうことです。

この時点で私の選択肢は「商社かメーカー」に絞られました。

なぜならコンサルは募集が終わっていたからね(アホ)

ただ正直コンサルは倍率も高いし求められる能力も高いので、受けても受からなかったと思います。

商社かメーカーで、メーカーを選んだ理由

理由はざっくり3つです。

(1)自分で手を動かして新しい価値を生み出せる人が一番かっこいいと思ったから。
(2)留学して、「日本人が海外と渡り合うためには、技術を身につけないといけない」と感じたから。
(3)メーカーなら、社内で「珍しい部類」に入れるから。

とはいえ、特に強いこだわりがあったわけではありません。

今考えてみたら、この3つだな〜。という程度です。

ちなみに一生勤め上げる気はなく数年後に転職すること前提での就活でした。

(1)自分で手を動かして新しい価値を生み出せる人が一番かっこいいと思ったから。

これは個人の感覚ですね。

私はそう思っているという、ただそれだけです。

これは研究室の先輩と教授の影響が大きいかもしれません。

私が破壊した実験器具()を直してくださったり、
実験系を一から組み上げてそこから新しいデータを出したり、
別に電気電子専攻じゃないのに電子回路が作れたり、
いろんな物を修理できたり、
自分の名前で論文を出したり、etc.

とにかく身一つで(?)色んなことができる、何かを生み出せるというのが私には結構衝撃でした。

そうなりたいと思って、学生の頃は一応頑張ったわけですが、

なかなかそうはなれず(そりゃ博士課程と教授は頭脳が飛び抜けてますよ・・・)

かと言って、何かを生み出せる人が一番かっこいいという価値観が急に変わるわけでもないので、

何かしようと思い留学したりしたわけです。

しかし留学先でも思うように勉強や研究ができず(自分の能力が足りなかった)、

自分で何かを作り出したいなぁという願望は十分に達成されない(しない)まま、留学期間が終わりました。

それで、ものづくりへの憧れを引きずっていた、というわけです。

ちなみに技術面ではなく事業面で何かを作り出せばいいんじゃないの、と思うかもしれませんが

その2つには自分の中では超えられない壁がありました。

事業を新しく作るためにも、技術が必要ですよね。

今あるどんな事業も、エンジニアがいないとできないですよね。

(エンジニアを過大評価してるかな?w)

一方で、技術だけあってもダメで、技術ではなく仕組みを作る人が偉い、というのは非常にわかります。

しかし、そういった仕組みを作れる人は本当に少数だと私は思っています。

そして自分がすぐに(新卒で)その少数になれるとは思いませんでした。

24年生きてると自分のことは分かるもんです。笑

したがって、新卒で技術に関わらない事業サイドに行く、ということは避けたかったのです。

2, 3年は技術の知識を蓄えたいと思っていました。(今もそう思ってます、あと1年で3年勤務になるけど)

(2)留学して、「日本人が海外と渡り合うためには、技術を身につけないといけない」と感じたから。

あのですね、海外の人は、本当に喋りがうまいです。

発表とかもそうですけど、ネットワーキングが段違いに上手です。

もちろん英語も上手。

そんな中で、口下手の傾向がある(?)日本人がバリューを出すには、技術しかないんじゃないかなって思いました。

大学でのグループワークでも、やはりネイティブやヨーロッパの英語ペラペラの人が仕切るんですよね。

こればかりは言語や文化の違いなのでどうしようもないです。(英語ネイティブの日本人だったらまた別なんだろうけど)

なので本質的なことを短く言うとか、技術的な何か貢献をするとか、そういうことに力を入れた方が効率いいんじゃないかと考えました。

場を回すのは我々ではないのだ・・・。

要するに、何かしらの技術を身につけていれば海外でも比較的心配せずに生きられる、と考えたわけです。

まぁこの意見に関しては本当に私がただ思っただけなので、全然反対意見あると思います。

あんまり論理的じゃないしw

でも当時の私はこう考えてメーカーを選びました。

(3)メーカーなら、社内で「珍しい部類」に入れるから。

これは英語が話せることがポイントです。

誰だってブルーオーシャンで生きていたいですよね?

少なくとも私はそうです。レッドオーシャンには行きたくない!w

というわけで、勤める会社は自分が目立てる(いい意味で)ところにしよう、と思いました。

この観点で商社を見てみると・・・

商社にはハイスペモンスター(仮称)がわんさかいます。

帰国子女や留学経験なんて当たり前の世界です。全員何かしらの実績を持っています。(事業立ち上げたとか、サークルの代表だったとか。。。)

最近では理系院卒も珍しくなく、高学歴ばっかりなので、東大京大でも自分が優位に立てる保証はなさそうです。

そんなハイスペたちがすごい勢いで働くわけですよ。

こう書き出していると恐ろしい世界ですね笑。

流石に私にはそこまでのスペックも情熱もないため、商社に滑り込めたとしてもあまり目立つことはないでしょう。

理系院卒で留学経験もあって英語できますって言っても、それが彼らのスタンダードなわけです。

自分はプラスアルファの努力をしないと目立てなさそうだと思いました。

経済や商学部出身の文系ウェイや帰国子女に張り合わなくてはいけないというのもかなりネックです。笑

一方メーカーは・・・

まず英語ができる人が少ないです。これはどのメーカーもそうだと思う。というか体質古めの日系大企業はほぼ全部。

英語ができる人、圧倒的有利。出世できそう。

そして研究以外の活動をしていた理系学生が少ない。

留学やイベント系の活動などをしてきた理系学生は少ない気がします(私の体感)。

いわゆる理系っぽくない活動をしていたというと、「理系なのにすごい」と言うポジティブな印象で見てくれるので、いい意味で目立ちやすいと思いました。

基本的にメーカーは商社などよりはおとなしめの人が多いので、ちょっと明るかったり社交的だったりすると、結構すぐに良い印象を持ってもらうことができます。(私の周りだけかな?あくまでも一意見として聞いてください。)

実際メーカーに入ってみてどうだったか

私は現在とある機器の設計を行なっており、2021年4月から3年目になります。

正直に言いますと、最初の1年目はやや後悔しました。

でも、2年目で仕事が好きになりました。

1年で人は変わるのです。笑

1年目なぜ後悔したかというと大きく2つあります。

(1)商社やコンサルよりも給料が低い
(2)技術難しすぎてついてけない

(1)商社やコンサルよりも給料が低い

待遇に関しては就活時からわかっていたことです。

彼らの給与が高い理由にも納得していますし、メーカーの給与が低い(とはいえ大企業なので平均よりは高い)のも業界構造上仕方ないことだと思っています。その分余暇は多いですし。

でも、実際に体験すると・・・思うところがありますよね。笑

一番差を感じたのはコンサルの友人に会った時ですね。
いろんなコンサル会社に知り合いがいますが、
タクシー移動が基本・ディナーは数万円が当たり前・一等地に住んでいる・インスタにはリゾートホテルの写真・・・

って感じで笑、いかにもキラキラして見えました。

「あの時の自分の選択が違っていたら、こんな未来があったのか。」なんて思ったりしました。

メーカーは1年目の給与が低いので(夏のボーナスもないし←寸志)余計に差を感じたのだと思います。

でも2年目になるとそんな不満も無くなりました。

残業をするようになったこともありますが(月20時間くらい)、2年目は意外ともらえます。

家賃補助や寮もあるので可処分所得は額面での印象よりも多いです。

なのでこれをみている社会人1年目や就活生の方は安心してください。笑

1年目は耐えるのみ。。。

(2)技術難しすぎてついてけない

意外とこれが結構ダメージデカかったです。

私の関わる事業は結構アカデミック寄りだからかもしれません。

本当に専門用語とか多いし、新しい話題も多いし、不具合の原因もわからないし。。。

でも雇ってもらったんだから仕事はしないと!

でもわからない・・・

負のループに入ってました。1年目の時。

割と周りに期待されていた?こともあり、それが逆にプレッシャーとなって辛かったです。

上司とあまり気が合わなかったと言うこともあり、仕事があまり好きになれずにいました。

(上司は頭が良くてストイック、それを他の人にも求めるような感じでした。自由奔放な自分とは合いませんでした・・・)

しかし2年目になり上司が代わり、直属の先輩もできたことで、状況がかなり改善しました。

まだまだわからないことが多いですが、先輩に聞いたり勉強したりして少しずつ改善しています。

(先輩が本当に優しくてマジで神様に見えます。圧倒的感謝。)

1年目の時は仕事が辛かったので、転職しようと思って活動したこともありました。

その時は技術からもう離れようと思いコンサルを受けていました。

結果的に転職はしなかったのですが、今後のキャリアプランを考える大変良い機会になったので、

現職に不満があったり自分の将来に不安がある人は、転職する気がなくても転職活動をしてみると良いかもしれません。

総合電機メーカーに2年間勤めて思うこと

まとめられないのでとりあえず箇条書きにします。後からまとめるかも。

メーカーのよいところ

・社会貢献できてるのをめちゃくちゃ感じられる。仕事を誇れる。

・世間からのイメージがいい。(地に足ついてるイメージ)

・基本激務ではない。人間としての幸せ(?)を享受できる。憲法第二十五条順守。

・残業少ないし有給取りやすいので、自分の趣味や副業ができる。(私も副業してる)

・言うほど待遇悪くない。

・英語できる理系ならメーカーに来ると5割増しで評価してくれる(文系はむしろ英語できない人の方が少ないかも、狭き門)

・会社に不満があったら自分で行動すると意外となんとかなる。

・人間的に良い人がおおい。激務界隈に良くいる性格の曲がった人がほぼいない。

・産休育休が取れる。(男性社員も1ヶ月を普通に取る。3ヶ月とってる人もいた。)

メーカーのよくないところ

・古い体質の会社が多い。紙媒体大好きとか、絶対出社とか、ラジオ体操するとか。

・部署によって働き方違いすぎてガチャが暗黒すぎる。(最近はジョブ型推進してる企業も多いから変わっていくかな?)

・工場実習がある場合めっちゃ辛い。(3交代制で工場実習していた友達の顔が死んでいった思い出)

・M&Aされる可能性が高い。(特にH社はすごい)

・バリバリ働いてお金稼ぎたい人や圧倒的成長したい人には向いてない。物足りないと思う。

・経費が全然使えない。最低限。(まあ会社としてあるべき姿だと思うが、社員としてはできるだけ使いたい笑)

こんな感じですかね。思いついたらまた追記します。

メーカーと一口に言っても、本当に会社によって全然違ったりするので、そこはご了承ください。

まとめ

模範的な理系学生って感じですね。今振り返ると。

でも自分で考えて納得した選択肢なので特に後悔はありませんし、仕事が好きになれたので毎日結構楽しいです。

リモートワークになってから楽しさがさらに加速しました。w

就活で色々いう人もいるかと思いますが、外野は無視して、結局自分の中で考えて納得したのであればどんな道でもオッケーだと思います。

私はたまたまメーカーにしましたが、別に理系学生はメーカーに行かねばならんなんてルールはないですし。

色々悩むのが良いと思います。

ちなみに就職してもまた転職や社内異動という選択肢が新たに出てくるので、きっと一生悩みは尽きないと思います。

いずれにせよ自分が納得できる選択ができるのが一番。

つらつらと私の体験談を述べてきましたが、何かしらが参考になればとても嬉しいです。

ではでは〜

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